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Article 006

肌を守る免疫細胞が、ハリを減らす存在に。真皮で起こる「免疫の逆走」とは

肌を守る免疫細胞が、ハリを減らす存在に。真皮で起こる「免疫の逆走」とは

年齢とともに気になり始める、肌のハリの低下。これまでは、その主な要因として「ハリを支える成分がつくられにくくなること」が注目されてきました。

一方、「Nラボ」が着目したのは、「つくられにくくなる」だけでなく、今あるハリが「失われていく」という側面です。そのメカニズムを探るなかで浮かび上がってきたのが、本来、肌を守る役割を担う免疫細胞の存在でした。 

ハリは「増やす」だけでは足りない

「Nラボ」が実施したお客様調査では、年齢が上がるにつれて「ハリ・弾力の低下」を最も改善したい肌悩みとして挙げる方が増え、50代以上では44.8%にのぼりました。


一方で、スキンケアによって実感するハリの持続性については、半数以上の51.2%が「一時的で、元に戻ってしまう」と回答。ハリへのニーズが高まる一方で、その実感を持続させることには、依然として課題があることがわかりました。 

ハリケアの必要性は高まる一方で、ケアによるハリの持続を実感できている人は少ない

N organic お客様調査 n=2096人 2026.6

あったものが減るとき、そこには必ず“減らす力”が働いています。ハリのもととなるコラーゲンやエラスチンの生成をいくら促しても、それと同じだけ分解されていれば、肌のハリは十分に保たれません。

では、今あるハリは、なぜ失われていくのか。

「Nラボ」は、ハリを“増やす”ことだけでなく、“減らす”メカニズムに目を向け、その正体を探りました。 

肌を守る免疫細胞が「居座る」と、ハリを「減らす力」に変わる

免疫細胞は、細菌やウイルスなどから体を守る、いわば「警備隊」のような存在です。紫外線などの外的刺激を受けた肌にも集まり、役目を終えるとリンパ管を通じて肌の外へ退出していきます。

しかし、外的刺激が繰り返されると、本来は役目を終えて去るはずの免疫細胞が真皮に居座り、次のような変化が起こります。 

- コラーゲンやエラスチンを分解する酵素(好中球エラスターゼ、MMPsなど)を放出し続ける

- 活性酸素を放出し、周囲の細胞を「老化細胞」に変える

- 老化細胞がSASP因子(老化細胞由来の炎症性因子)を出して弱い炎症を広げ、新たな老化細胞が増える

このように、本来肌を守るための免疫細胞のはたらきが、そのままハリを減らすはたらきに変わってしまうことを、「Nラボ」では「免疫の逆走」と呼んでいます。

[居座った免疫細胞が、コラーゲン・エラスチンを減らすしくみ]

[免疫細胞による攻撃と、老化細胞が増えていくループ]

鍵は“出口”のリンパ管。そのはたらきは年齢とともに低下する

居座った免疫細胞の出口となるのが、真皮にも分布するリンパ管です。リンパ管には、次の二つのはたらきがあります。

- 呼び寄せる(誘導)……CCL21という物質が、免疫細胞を出口へ呼び寄せる

- 送り出す(排出)……インテグリンα9が関わり、免疫細胞をリンパ管へ送り出す

[免疫細胞を「呼び寄せて」「送り出す」リンパ管のはたらき]

加齢に伴う皮膚リンパ管の研究では、成人由来のリンパ内皮細胞(リンパ管の内側を覆う細胞)において、

- CCL21の分泌量が低下する傾向
- インテグリンα9の量の大きな低下

が報告されています。年齢とともに"出口"のはたらきが低下することで、免疫細胞が居座りやすくなると考えられます。


[呼び寄せる力・送り出す力は、年齢とともに低下する]

「増やす」から、「減らさず増やす」へ

ハリを減らす力が働き続けていれば、つくられたハリも失われてしまいます。そのため、ハリを減らす要因となる、居座った免疫細胞や老化細胞を適切に外へ出すことが、ハリを長く保つための新しい鍵になると「Nラボ」は考えています。

今後は、この「免疫の逆走」を食い止めるアプローチについて、植物の力を用いた研究を進めてまいります。

※「免疫の逆走」は、免疫反応が持続することで、肌を守る働きがハリを支える構造へ影響を及ぼす状態を表した「Nラボ」独自の呼称です。